裂肛根治手術
レーザーオーバーストレッチ法
レーザーオーバーストレッチ法とはCO2レーザーメスにて裂肛の周堤を蒸散した後に括約筋をオーバーストレッチ(過伸展)する方法です。
裂肛の基本病態は裂ける ︎↔︎ 治るを繰り返すことによって起こった難治創(治りにくい傷)と肛門狭窄(肛門が十分に開かない状態)です。
この2つの要素により便の狭小化や出血、排便時痛と排便後の持続痛などの症状が起こります。進行すると排便後の持続痛は1日中続き耐えがたいものになり、排便への恐怖から食事を控える方(食事回避)もいます。
裂肛手術は難治創と肛門狭窄への治療が主軸となります。
難治創に対してはその原因である周堤を取り除き、創(裂肛)を良好に創傷治癒が起こる状態に戻します。
この手術操作には非接触性に中空から光線で病変を取ることができるレーザーメスが適切です。複雑な形状の周堤もレーザー光線でトレースし正確に除去(蒸散)することができます。
組織への侵襲も軽微で速やかな創傷治癒が行われます。
皮膚をスライディング(移植)にて難治創を閉鎖するSSG(スライディングスキングラフト法)では括約筋に対しての手術操作を行われません。また手術侵襲が大きく、オーバーサージェリー(やりすぎ手術)などで肛門の皮膚が不足した状態にのみ適用があると考えています。
肛門狭窄に対しては、下部直腸から肛門外縁に至るまで愛護的に肛門括約筋のオーバーストレッチ法(過伸展)による拡張術を行います。 括約筋の一部に切開を加える内肛門括約筋切開法(LSIS)は将来に肛門機能の低下を招く恐れがあるため当院では行いません。オーバーストレッチ法は安心で十分な肛門拡張の効果があります。
裂肛手術の種類
手術法 | SSG | LSIS | レーザーオーバー ストレッチ法 |
肛門狭窄 に対応 |
なし | あり | あり |
難治創に 対応 |
あり | なし | あり |
手術侵襲 | 大 | 中 | 小 |
瘢痕形成による周堤の状態
周堤を切除して創を閉鎖する
手術後3週間
周堤をレーザー光線で除去
括約筋の緊張を改善
治療の流れ
初 診
予 約 | オンライン、LINE、電話 |
受 付 | 問診票の記入 |
診 察 | 医師の診察 |
検 査 | 手術希望の方は 術前検査 |
手 術
朝 又は 昼 | 来 院 |
▼ | 準 備 (着替え、麻酔準備) |
▼ | 手 術 |
▼ | 安 静 (個室で3〜4時間程) |
約5時間後 | 帰 宅 |
手術後の通院
翌 日 | 通 院 |
1週間後 | 通 院 |
3週間後 | 通 院 |
手術後の生活
仕事は翌日から肉体労働も含めて行って構いません。 |
飲酒と香辛料などの刺激物は2週間避けていただきます。 |
運動は2週間避けてください。 |