当院の痔ろう手術における特徴
- 独自開発のダブルドレナージ法により複雑痔ろうも日帰り手術で対応可能
- CO₂レーザーメスを用いて括約筋を維持し、肛門機能への影響を最小限に
- 再発率5%以下の高い根治性と低侵襲性を両立
- CT検査で瘻管の走行を事前に正確に把握し、安全で確実な手術を実現
痔ろうの手術について
痔ろう(痔瘻)は、肛門の周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍」が進行し、肛門の内側と外側をつなぐトンネルのような管(瘻管)ができた状態です。
痔ろうは薬だけで治すことはできず、根治には手術が必要です。放置すると膿が繰り返し出たり、瘻管が複雑化したりするため、早期の手術が推奨されます。
当院では、CO₂レーザーメスを用いた独自の「ダブルドレナージ法」により、括約筋を温存しながら高い根治性を実現しています。皮下粘膜下痔ろうから、筋間痔ろう、高位痔ろう、複雑痔ろうまで、すべてのタイプに日帰り手術で対応可能です。
ダブルドレナージ法とは
ダブルドレナージ法は、当院が開発した痔ろう手術です。肛門の筋肉(括約筋)を温存しながら、高い根治性を実現できる方法として確立しました。
この手術法は、「痔ろう開放術」と「痔ろうくりぬき法」という2つの手術法の長所を組み合わせた体に優しい手術法で、日帰り手術が可能です。
手術の特徴
1. 瘻管の除去
CO₂レーザーメスを用いて肛門の内側と外側をつなぐトンネル(瘻管)をくり抜き、または蒸散して除去します。レーザーメスの特性により、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えられます。
2. 括約筋の温存
瘻管が通っている肛門の筋肉(括約筋)を傷つけないよう、丁寧に剥がして持ち上げます。筋肉を橋のように吊り上げることで保護し、切ることなく手術を進められます。そのため、術後の肛門機能に影響を与える心配がありません。

3. ドレナージ創の形成
手術後に膿や分泌物がたまると再発の原因になります。そこで、肛門の筋肉の表側と裏側の両方に、膿や分泌物が自然に排出される通り道(ドレナージ創)を形成します。この「ダブルのドレナージ」により、再発率を低く抑えることができます。

ダブルドレナージ法のメリット
- 高い根治性:ドレナージが良好で再発率5%以下
- 括約筋温存:将来的な肛門機能への不安を軽減
- 低侵襲:CO₂レーザーメスにより組織ダメージが少ない
- 治癒が早い:治癒までの期間は約3週間で、一般的な手術の半分
- 日帰り可能:入院不要で翌日から通常の生活に復帰
他の手術法との違い
痔ろうの主な手術法の比較
| ダブルドレナージ法 | 瘻管切開開放術 | 瘻管くり抜き法 | LIFT法 | |
|---|---|---|---|---|
| 手術内容 | 括約筋を通る瘻管をCO2レーザーメスで剥離・蒸散し除去。筋肉の外側にもドレナージ創を形成し、ドレナージ効果を最大化する手術。瘻管切開開放術の根治性と、瘻管くり抜き法の肛門括約筋温存を両立した術式。 | 肛門内外をつなぐ瘻管を皮膚側から切開し、トンネル状の通路を開放して感染源を取り除く。傷は縫合せず開放創とし、内側から自然に治癒させる。 | 痔瘻の瘻管を周囲組織から筒状に剥離し、全長をくり抜いて摘出する術式。 | 括約筋間に小切開を加え、瘻管を同定して結紮・切離することで感染経路を遮断する痔瘻手術。 |
| 使用する機器 | CO₂レーザーメス | 電気メス | 電気メス | メス |
| 手術の適応 | 筋間痔ろう | 皮下痔ろう・低位筋間痔ろう | 低位筋間痔ろう | 筋間痔ろう |
| 傷の縫合 | なし | なし | 症例により異なる | あり |
| 術後の痛み | 軽度 | 中程度〜強い | 中程度 | 軽度 |
| 肛門機能への影響(便もれ) | なし | あり | なし | なし |
| 再発の可能性 | 5%以下 | 2〜7% | 5〜10% | 10〜20% |
| 日帰り・入院 | 日帰り | 日帰り〜入院 | 日帰り〜入院 | 日帰り〜入院 |
| 日常生活への復帰 | 翌日 | 1〜2週間後 | 数日後~1週間後 | 2〜5日後 |
| 治るまでの期間 | 約3週間 | 4〜8週間 | 4〜6週間 | 2〜4週間 |
手術の流れ
初診

オンライン、LINE、電話からご都合の良い方法で診察のご予約をお取りください。
ご来院いただき、受付で問診票にご記入いただきます。
完全個室の診察室で医師が丁寧に診察し、症状を確認いたします。
手術をご希望の場合は、血液検査や心電図などの術前検査を実施します。
※初診当日の手術も可能ですが、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血栓薬)を服用していないことが条件となります。
手術当日
午前の手術

8:00 来院
準備
点滴や麻酔の準備を行います。
手術
15〜30分程度で手術が終了します。
安静
ベッドでゆっくり休憩していただきます。
12:00前後 帰宅
午後の手術

12:30 来院
準備
点滴や麻酔の準備を行います。
手術
15〜30分程度で手術が終了します。
安静
ベッドでゆっくり休憩していただきます。
16:00前後 帰宅
手術後の通院

翌日
手術部位の状態を確認し、経過が順調かどうかを診察します。
1週間後
傷の治り具合を確認します。
3週間後
治癒の進行状況を確認します。
5週間後
最終的な経過を確認し、問題がなければ治療終了となります。
術後の痛みと過ごし方
術後の痛み
術後の痛みは、個人差はありますが、軽度からほとんどない場合もあります。手術当日は少し痛みを感じることがありますが、翌日にはほとんど痛みがなくなります。術後は、患者様ご自身で歩いて帰宅することが可能です。
術後の過ごし方
仕事

手術の翌日から、デスクワークはもちろん、肉体労働も含めて制限はありません。
飲酒と香辛料

2週間は避けていただきます。
運動

仕事以外のスポーツは2週間避けてください。
よくある質問
痔ろうは薬で治りますか?
痔ろうは瘻管(トンネル)ができた状態のため、薬だけで治すことはできません。根治には手術が必要です。肛門周囲膿瘍の早期段階であれば、抗生物質による治療が可能な場合もありますが、痔ろうに進行してしまうと手術以外に治療法はありません。
痔ろうを放置するとどうなりますか?
痔ろうを放置すると、膿が繰り返し出たり、瘻管が枝分かれして複雑化したりします。また、まれにがん化するケースもあるため、早期の手術が推奨されます。症状が進行すると手術も複雑になるため、早めの受診が大切です。
複雑痔ろうでも日帰り手術できますか?
はい、可能です。当院では、筋間痔ろう、高位痔ろう、複雑痔ろうなど、一般的には入院が必要とされる症例も日帰り手術で対応しています。CO₂レーザーメスとダブルドレナージ法により、複雑症例でも低侵襲で根治性の高い手術が可能です。
痔ろうの手術は痛いですか?
手術中は2つの麻酔(仙骨硬膜外麻酔と静脈麻酔)を併用するため、痛みはありません。術後の痛みもほとんどないか、軽度で、翌日には患者様ご自身で歩いて帰宅できる状態です。当院の低侵襲手術により、痛みを最小限に抑えられます。
痔ろうは再発しますか?
当院のダブルドレナージ法では、再発率を5%以下に抑えています。一般的なくり抜き法の再発率5〜10%、LIFT法の再発率10〜20%と比較して、高い根治性を実現しています。ただし、肛門周囲膿瘍が再発した場合は、新たな痔ろうができる可能性があります。
痔ろうの手術費用はどのくらいかかりますか?
保険診療による治療で40,000〜50,000円程度、自由診療による治療で380,000円です。症状により保険診療も可能ですが、診察時に症状を確認し、保険診療と自由診療のそれぞれのメリット・デメリットをご説明した上で、患者様に選択していただきます。
八王子クリニック新宿院では、新宿駅西口から徒歩3分の好立地で、土曜診療も実施しています。痔ろうでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。