当院の薬物療法における特徴
- 肛門科を受診される多くの患者様は、生活習慣の改善と薬物療法で症状が改善
- 症状や基礎疾患、体質に応じて、外用薬と内服薬を適切に組み合わせて処方
- 妊娠中・授乳中の方も安心して使用できる薬剤を選択
- 排便習慣や食事面など、痔の原因となる要因について丁寧にご説明
薬による治療について
痔の治療には、大きく分けて「薬による治療(保存療法)」と「手術による治療」があります。肛門科を受診される多くの患者様は、生活習慣の改善と薬による治療で症状が改善します。薬物療法は、痔の初期段階や軽度の症状に対して有効で、体への負担が少ない治療法です。
当院では、症状や基礎疾患、体質などを考慮して、外用薬(塗り薬や座薬)と内服薬(飲み薬)を適切に組み合わせた治療を行っています。
薬物療法で対応できる症状
薬物療法が有効な場合
薬物療法が有効なのは、炎症・腫れ・化膿など、可逆的な状態です。以下のような症状に対して効果が期待できます。
いぼ痔(痔核)
- 内痔核1度〜2度(出血や軽度の脱出)
- 外痔核(血栓性外痔核の腫れや痛み)
きれ痔(裂肛)
- 急性裂肛(排便時の痛みと少量の出血)
- 裂肛早期〜中期(慢性化していない段階)
痔ろう・肛門周囲膿瘍
- 早期の肛門周囲膿瘍(抗生物質による治療が可能な場合)
薬物療法では治せない状態
組織が硬くなってしまった状態や、傷の奥にトンネルのような管ができてしまった状態など、身体の回復力だけでは元に戻せない症状には、薬では対応できません。以下のような場合は、手術が必要になります。
- 内痔核3度後半〜4度(繰り返し脱出し、戻りにくい)
- 慢性裂肛後期〜晩期(周堤が形成され、肛門狭窄がある)
- 痔ろう(瘻管ができた状態)
外用薬の種類
外用薬は、肛門の中に入れたり、塗ったりする薬です。患部に直接作用するため、効果が早く現れるのが特徴です。
注入軟膏剤
特徴
軟膏の形状で、専用のノズルを使って直腸内に注入します。内痔核やきれ痔に対して使用します。妊娠中や授乳中の方にも安心して使用できる薬剤です。
効果
- 炎症を抑える
- 出血を止める
- 痛みを和らげる
- 組織の修復を促進する
座薬
特徴
弾丸の形状で、肛門内に挿入します。体温で溶けて、薬剤が患部に作用します。妊娠中や授乳中の方にも安心して使用できます。
効果
- 炎症を抑える
- 出血を止める
- 痛みを和らげる
- 腫れを改善する
塗布剤
特徴
軟膏やクリームの形状で、肛門周囲の皮膚に塗ります。外痔核や肛門周囲の皮膚炎、かゆみに対して使用します。
効果
- 炎症を抑える
- かゆみを止める
- 皮膚の修復を促進する
内服薬の種類
内服薬は、飲み薬として体内から症状を改善します。外用薬と併用することで、より効果的な治療が可能になります。
鎮痛剤
効果
肛門の痛みを和らげます。きれ痔の激しい痛みや、血栓性外痔核の痛みに対して使用します。
使用上の注意
症状に応じて適切な鎮痛剤を選択します。
消炎剤
効果
いぼ痔やきれ痔、痔ろうの炎症を抑えます。腫れや痛みを軽減し、症状の悪化を防ぎます。
抗生物質
効果
化膿の進行を抑えます。主に肛門周囲膿瘍や痔ろうに使用します。細菌感染を抑え、炎症を改善します。
使用上の注意
医師の指示通りに服用することが重要です。自己判断で中断すると、症状が再発する可能性があります。
整腸剤
効果
腸内細菌を整え、良好な排便を促します。便秘や下痢を改善し、肛門への負担を軽減します。
便秘薬
効果
便秘を改善し、硬い便による肛門への負担を軽減します。きれ痔の原因となる便秘を改善することで、症状の悪化を防ぎます。
使用上の注意
便秘薬には様々な種類があります。症状や体質に応じて、適切な薬剤を選択します。
漢方薬
効果
いぼ痔、きれ痔、痔ろうの様々な症状に効果があります。特に芍薬甘草湯には、肛門括約筋の過緊張を緩和する効果が期待されます。
特徴
体質改善を目指す漢方薬は、長期的な症状の改善に有効です。副作用が少なく、他の薬と併用しやすいのも利点です。
生活習慣の改善
薬物療法の効果を最大化するためには、生活習慣の改善が不可欠です。
排便習慣の改善
- いきまずに自然な排便を心がける
- 便意を我慢しない
食生活の改善
- 野菜、果物、海藻、きのこ類など食物繊維を十分に摂取する
- 水分を十分に摂取する
- 香辛料やアルコールの過度な摂取を避ける
- バランスの良い食事を心がける
その他の生活習慣
- 長時間同じ姿勢を続けない
- 入浴で血行を促進する
これらの生活習慣の改善は、薬物療法の効果を高めるだけでなく、痔の再発予防にも重要です。
手術が必要なケース
以下のような場合は、薬物療法から手術治療への移行を検討します。
薬物療法・生活改善で効果が得られない場合
数週間〜数ヶ月の薬物療法を試みても、症状が改善しない、または悪化する場合。
患者様が早期に悩みを解決したい場合
痛みや不快感、不安など、症状による生活への支障を早期に解決したい場合。
手術以外で根治が見込めない場合
慢性化した痔や、組織が変性した状態で、薬物療法では根治が困難な場合。
よくある質問
薬だけで痔は治りますか?
痔の初期段階や軽度の症状であれば、薬物療法と生活習慣の改善で治る可能性があります。当院を受診される多くの患者様は、薬による治療で症状が改善しています。ただし、慢性化した痔や進行した痔では、手術が必要になることもあります。
薬による治療はどのくらいの期間続けますか?
症状の程度によって異なりますが、一般的には数週間〜数ヶ月程度です。症状が改善してきたら、徐々に薬の使用を減らしていきます。定期的に受診していただき、経過を確認しながら治療を進めます。
妊娠中でも薬による治療は可能ですか?
はい、可能です。妊娠中や授乳中の方も安心して使用できる薬剤があります。痔は妊娠・出産をきっかけに発症することが多いため、当院では妊娠中の方への治療経験も豊富です。安心してご相談ください。
薬で効果がない場合はどうすればよいですか?
薬物療法で効果が得られない場合は、手術治療への移行を検討します。当院では、日帰り手術を専門としており、翌日から仕事復帰できる低侵襲な手術を提供しています。診察時に症状を確認し、最適な治療法をご提案いたします。
市販薬と処方薬の違いは何ですか?
市販薬は症状を一時的に緩和するものが多いのに対し、処方薬は症状や状態に応じて適切な薬剤を選択できます。また、処方薬には市販薬にはない成分や効果の強い薬剤もあります。症状が続く場合は、自己判断せずに専門医を受診することをお勧めします。
薬による治療の費用はどのくらいかかりますか?
薬物療法は保険診療で行えます。外用薬と内服薬を処方した場合、3割負担の患者様で数千円程度です。症状や処方内容によって異なりますので、診察時に詳しくご説明いたします。
八王子クリニック新宿院では、新宿駅西口から徒歩3分の好立地で、土曜診療も実施しています。痔の症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。