クランプトレーザー法
一般的な痔の手術では、痔核を一塊として切除するのが通常です。(下記イラスト参照)
一方でクランプトレーザー法は、CO₂レーザーメスを使用し、「痔核切除」「痔核郭清」「ジオン注射」 の3つの技術を組み合わせて行う、当院独自の手術法です。(下記イラスト参照)
この方法により、より根治性を高めながらも、出血や腫れを抑え、術後の回復をスムーズにすることが可能です。
※「クランプトレーザー法」は八王子クリニックが商標登録を取得した独自の術式であり、2023年には大腸肛門病学会にて発表されています。
1. 痔核切除
(痔核の中心部を除去)
手術時に出血を伴う痔核中心部の病変に対しては、痔核をクランプ(血流を遮断)し、CO₂レーザーで無血切除を行います。
2. 痔核郭清
(痔核の中心部以外を除去)
肛門の排便機能に関わる皮膚や粘膜を**過度に切除しないように配慮し、皮下.粘膜下を剥離して痔核を切除(郭清)**します。 そのため、傷は翌日にはほぼ閉じ、痛みはゼロまたはごくわずかです。
3. ジオン注射
(下部直腸の痔核治療)
術後に大量出血のリスクがある下部直腸の痔核に対しては、ジオン注射を施行します。
これにより、出血リスクは大幅に低下し、ほぼゼロに近づきます。
この3つの技術の組み合わせにより、痛みや出血を最小限に抑え、翌日から日常生活に復帰可能な、身体に優しい手術が実現しました。
傷は小さく痛みが0からわずかです。
傷は大きく入院、安静が一般的。
| クランプトレーザー法長所 | |
|---|---|
・日帰り率100%/年間1,500人以上が受けています→入院不要、病院滞在時間は約4時間です。 |
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・翌日から仕事復帰できた方:99.7%(※2023年11月 大腸肛門病学会にて発表)→力仕事を含む日常生活も、翌日から可能です。 |
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・術後の出血による合併症:0%(※同学会にて発表) |
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・傷は非常に小さく、翌日には自然に閉じるため、痛みもほとんどありません。 |
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一般的な手術法(LE法)との相違点
一般的な痔核根治術(LE法)は肛門外縁皮膚よりドレナージ創を形成しつつ肛門内に剥離をすすめ痔核を切除します。剥離に伴う出血は適宜、止血を行います。手術のデバイスはメスと電気メスの併用が一般的です。
☆ドレナージ創の形成→痔核切除の順です。
一方、クランプトレーザー法は、鉗子にて痔核への血流をクランプ(遮断)し、CO2レーザー光線にて痔核を切除し、その手術創を用いて周囲の痔核を皮下剥離(アンダーマイニング)し摘出します(痔核郭清)。手術切除は歯状線をわずかに超えた部位で結紮切除します。そこより口側の痔核にはジオン注射を行います。ドレナージ創の形成は展開テープを解除し痔核切除.摘出後に肛門の閉じるシワに合わて形成します。
☆痔核切除→痔核郭清(摘出)→ジオン注射→ドレナージ創形成の順です。
比 較 表
| 手術名 | クランプトレーザー | L E |
|---|---|---|
| 手術デバイス | CO2レーザーメス | メスと電気メス併用 |
| 痔核切除範囲 | 肛門外縁から歯状線をわずかに越える | 肛門外縁から下部直腸 |
| 痔核への血流 | クランプする | クランプしない |
| 出血と止血 | 無血、少量 | 適宜止血 |
| 手術時間 | 15分から30分 | 15分から30分 |
| ジオン注射の併用 | 必須 | 適宜 |
| 痔核郭清(摘出) | 必須 | しない |
| 肛門の展開テープ | 伸展と解除を適宜 | 伸展のまま |
| ドレナージ創の作成時期 | 痔核切除後 | 痔核切除前 |
| ドレナージ創の形成 | 肛門の閉鎖するシワに合わせる | 肛門のシワは意識できにくい |
| ドレナージ創の左右辺の対称性 | 左右対称→創傷治癒に適している | 時に非対称 |
| 術後の安静 | 翌日より制限なし | 入院または1週間安静 |
| 日帰り手術 | 適切 | 一般的に入院手術 |
| 術後の痛み | 0からわずか | 中等度から高度 |
| 手術創の見栄え | 良好 | 時に不良 |
| 麻酔法 | 仙骨硬膜外麻酔(ボーラス法→麻酔薬はLEの半分)と静脈麻酔併用 | 脊椎麻酔、仙骨硬膜外麻酔 |
手術時の留意点
クランプトレーザー法の習得には指導医師のもとで研修することが必須です。
① CO2レーザーメスのフォーカスビームとデフォーカスビームの使い分けの知識と手技→病変との距離によってフォーカスビーム、デフォーカスビームとなり、またレーザーの出力もコントロールできる。これを感覚的に会得する。グランプトレーザーの要である。
② 痔核の過剰切除に注意→痔核切除時のヘモロール、ヘモスカート、痔核結紮後の口側粘膜に裂創がないことを確認する。
③ ジオン注射の知識と手技→注入部位と量と念入りなマッサージが重要である→ジオン注射、マッサージ直後にどれだけ痔核が縮小するかが効果の予測のポイントである。
④ 痔核結紮部は歯状線を大きく越えない(約5mm)そこより口側痔核はジオン注射を施行する→痔核結紮切除後に「※ガーゼ引き出し法」にて痔核の脱出の有無を確認する。
※肛門内にガーゼを挿入し引き出す→排便時の痔核の脱出を再現できる。
⑤ 創傷治癒を意識した手術創の形成→創傷治癒のメカニズムの理解→展開テープの伸展と解除(ストレッチ&リリース法)にて手術後の創の状態をイメージする。
⑥ 手術創は展開テープを解除した際にほぼ創が閉じる状態とする→皮膚を過剰切除しないことが重要。痔核切除と痔核摘出の配分を常に考える。
⑦ 手術創より皮下粘膜剥離(アンダーマイニング)にて痔核郭清(摘出)及び静脈叢の郭清を行う手技の研磨→手術創の縁はフォーカスビームでシャープに切る→アンダーマイニングが行いやすい。
⑧ 下部直腸から肛門外縁まで各肛門括約筋を過伸展する手技(括約筋オーバーストレッチ法)→術後に発生する肛門括約筋の緊張や攣縮による術後肛門部痛を予防軽減する。愛護的に丁寧にしっかりと行うことが重要。
手術写真と動画
50代女性 内痔核 2ヶ所切除
50代男性 嵌頓痔核 2ヶ所切除
30代男性 内痔核4度 4ヶ所切除
30代男性 内痔核3度 4ヶ所切除
30代女性 嵌頓痔核 4ヶ所切除
60代女性 内痔核 3箇所切除
40代男性 内痔核 1箇所切除
60代男性 内痔核3度 2箇所切除
70代男性 内痔核3度
50代女性 痔核 4ヶ所切除
70代男性 内痔核3度 1ヶ所切除
50代男性 内痔核3度 2ヶ所切除
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