「痔の手術は入院が必要」「術後はしばらく仕事を休まなければいけない」。そう思って、受診をためらっている方は少なくありません。
八王子クリニックでは、重症例を含むすべての痔手術を日帰りで行っており、翌日から仕事に戻る方がほとんどです。これは、単に「日帰りにしている」のではなく、日帰り手術を前提に設計・洗練させてきた独自の低侵襲技術があるからこそ実現できています。
このページでは、なぜ当院で日帰り手術が可能なのか、その技術的な背景をわかりやすくご説明します。
日帰り手術を可能にする「低侵襲」とは何か
低侵襲とは、体への負担を最小限に抑えた手術のことです。傷が小さく、出血が少なく、痛みが少なければ、術後の回復が早くなります。当院では以下の6つの指標を徹底的に追求することで、日帰り手術と翌日からの仕事復帰を実現しています。
- 術後の痛みが少ない
- 手術創(傷)が小さい
- 出血量が少ない
- 手術範囲が必要最小限
- 手術時間が短い
- 麻酔による体への負担が少ない
これらを同時に達成するために、当院では複数の独自技術を組み合わせた手術を行っています。
当院の低侵襲手術を支える7つの技術
① CO₂レーザーメス|出血を抑え、複雑な病変にも精密に対応

当院のすべての手術で使用しているのが、CO₂レーザーメスです。通常のメスと大きく異なるのは、光を照射するだけで切除・止血が同時に行える点です。
レーザーには2つの使い方があります。焦点を合わせた光(フォーカスビーム)は組織を傷つけにくく精密に切除でき、焦点をずらした光(デフォーカスビーム)は止血効果が高い。この2つを使い分けることで、出血を最小限に抑えながら正確な手術が可能になります。
また、レーザーメスは病変に直接触れずに光でなぞるだけで切除できるため、形が複雑な病変にも対応できます。スキンタグ(肛門の皮膚のたるみ)や慢性裂肛の硬いしこり、複雑な経路を走る痔ろうなど、難易度の高い病変にも繊細かつ正確に対応できるのがCO₂レーザーの大きな強みです。
② 痔核郭清・アンダーマイニング手技|皮膚を残して、中の病変だけを取り除く

一般的な痔の手術では、痔核を皮膚や粘膜ごとまとめて切除します。そのため傷が大きくなりやすく、術後の痛みや腫れが出やすくなります。

当院で採用しているのは、表面の皮膚・粘膜をできるだけ温存し、その下にある痔核の病変だけを丁寧に取り除く「痔核郭清(アンダーマイニング手技)」です。小さな切開創から皮下の組織を繊細に剥離するため、傷が小さく、術後の腫れや痛みを大幅に軽減します。

CO₂レーザーのフォーカスビームを使うことで、皮下の剥離操作がより正確になり、進行した重症例に対しても肛門の機能を守りながら根治性を高めることができます。日帰り手術の中核となる技術です。
③ 仙骨硬膜外麻酔ボーラス注入法|体に優しい麻酔で、日帰りに適した管理を実現


当院の痔手術はすべて、2種類の麻酔を組み合わせて行います。手術中の痛みはなく、眠っている間に終わります。
特徴的なのが「仙骨硬膜外麻酔ボーラス注入法」です。麻酔薬を一定の圧力をかけて注入するこの方法は、一般的な麻酔の半分程度の量で十分な効果が得られます。麻酔の立ち上がりが早く、手術後の回復もスムーズで、体への負担が少ない点が日帰り手術に適しています。
なお、腰椎麻酔で起こりやすい術後の頭痛(低髄圧性頭痛)もなく、「片効き現象」(麻酔が片側にしか効かない現象)も起こりません。術後はご自身で歩いて帰宅できます。
④ 括約筋オーバーストレッチ手技|術後の痛みの根本原因にアプローチ


肛門手術後の痛みの主な原因のひとつは、括約筋の緊張と攣縮(けいれん)です。手術によって刺激を受けた筋肉が反射的に緊張し、これが痛みを引き起こします。肩こりやこむら返しと同じ仕組みです。
当院では、下部直腸から肛門周囲の筋肉に対して愛護的にしっかりとオーバーストレッチ(過伸展)を行います。これにより括約筋の緊張と攣縮を予防し、術後の排便時の痛みを大きく軽減することができます。
⑤ ドレナージ創は最後に形成|傷の回復を促す手順の工夫
肛門手術では、翌日から排便が始まります。便や分泌物が創部にたまらないよう排出できる「ドレナージ創」を作ることが非常に重要です。
一般的には主病変を切除する前にこの排出路を作りますが、当院では主病変の手術を先に終わらせ、肛門が自然に閉じたときのシワに合わせてドレナージ創を形成します。これにより、傷の回復が促進され、術後の痛みも少なく、治癒後の傷跡も自然で目立ちにくくなります。
⑥ 展開テープ・ストレッチ&リリース法|仕上がりと機能の両方にこだわる手術管理


手術中は肛門を開いた状態で行うため、肛門の左右にテープを貼って展開します。一般的には手術終了まで開いた状態を維持しますが、それでは術後の肛門の形を正確に把握できません。
当院では、手術中にテープの伸展と解除を繰り返しながら「肛門が閉じた状態」を確認しつつ手術を進めます。これにより、術後の肛門の形(美観)と開閉機能の両方にとって良好な結果を目指せます。手間のかかる工程ですが、患者さんの術後の生活の質につながる大切な技術です。
⑦ 手術とジオン注射の併用療法|切除範囲を減らし、出血リスクをゼロに近づける
ジオン注射(ALTA硬化療法)は、内痔核に直接注射して縮小させる治療法です。当院では手術との併用を標準的に行っており、これにより切除しなければならない範囲を小さくすることができます。
手術侵襲が軽減されるとともに、最も注意が必要な合併症である「術後出血」のリスクを大幅に下げる効果もあります。クランプトレーザー法(スリーパーツ法)でのジオン併用後における出血合併症はゼロです。日帰り手術を安全に実現するうえで欠かせない組み合わせです。
当院の日帰り手術の核心|クランプトレーザー法(スリーパーツ法)とは
上記の技術をすべて組み合わせ、日帰り手術として完成させたのが「クランプトレーザー法(スリーパーツ法)」です。約30年の歳月をかけて開発・改良を重ねてきた、商標登録済みの当院独自の手術法です。
従来の痔手術は、痔核を皮膚・粘膜ごとまとめて切除するため傷が大きくなりがちでした。クランプトレーザー法(スリーパーツ法)では、この発想を根本から見直し、「皮膚の下に存在する痔核の病変だけを取り除く」という概念を採用しています。
具体的には、痔核切除・痔核郭清(アンダーマイニング手技)・ジオン注射の3つを組み合わせた手術で、CO₂レーザーメスを使うことで傷を最小限に抑えながら根治を目指します。
2023年の日本大腸肛門病学会で発表されたデータでは、以下の成績が示されています。
- 日帰り手術率:100%
- 翌日の仕事への影響なし:99.7%
- 翌日の強い痛みなし:92.2%
- 出血合併症:0%
体力仕事の方、ダンサー、タクシー運転手など、翌日から本格的な労働が必要な職種の方も含めたデータです。
術後の安静についての考え方
当院では、術後は「できるだけ安静に」とはお伝えしていません。日常生活を通常通りに過ごすことが、むしろ回復を早めるリハビリになると考えているためです。
現代の外科医療全般で「早期離床・早期社会復帰」が標準的な考え方となっており、肛門外科も同様です。入浴は術後1週間はシャワーをお願いしていますが、食事・排便・仕事・運動については翌日から制限はありません。お酒と辛いものは控えていただく程度です。
翌日から仕事に戻れるのは、「術後の制限をなくした」からではなく、「制限を必要としない手術を実現した」からです。
日帰り手術に対応している疾患
当院では、以下のすべての肛門疾患に対して日帰り手術を行っています。複数の疾患を同時に抱えている場合も、1回の手術で対応可能です。
| 疾患 | 術式 |
|---|---|
| 痔核(いぼ痔) | クランプトレーザー法(スリーパーツ法) |
| 裂肛(切れ痔) | LV & SOS法(レーザー周堤除去・オーバーストレッチ法) |
| 痔ろう(あな痔・肛門周囲膿瘍) | ダブルドレナージ法・括約筋温存開放術 |
| スキンタグ(肛門皮垂) | レーザートレース法 |
八王子クリニックの手術実績
当院(八王子本院)の年間手術件数は930件(2024年)、新宿院と合わせると年間約1,750件です。開院から30年で累計30,000例以上の手術実績があります。
毎日午前・午後に手術を行える体制を整えており、難症例にも対応する豊富な経験が積み上げられています。
遠方の方には、短期通院プランや術後のオンライン診療にも対応しています。手術後の通院は3回、治療期間は3〜5週間が目安です。実際に手術を受けた患者さんの4人に1人は都外からの来院者です。
まずはお気軽にご相談ください
「手術が怖い」「仕事を休めない」「恥ずかしくて受診できなかった」。そのような理由で、長年痔の症状を抱えたままにしている方は多くいらっしゃいます。
当院では、完全個室での問診・診察、患者さん同士が顔を合わせない待合室の設計など、受診しやすい環境を整えています。初診の段階では、手術を前提にするのではなく、まず現状の状態と治療の選択肢をわかりやすくご説明します。
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八王子クリニック本院
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