院長のコラム🤓
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」😝😜🤪😝
井上ひさしのこの言葉を中心に持ち、コラムを書いていきたいと思います。
2023.12.20 院長.井藤尚文
はじめに…
痔という漢字は病垂に寺と書きます。お寺に入るまで(死ぬまで)治らない病気の意味に由来します。
しかし…今や痔は適切な治療によって完治できる病気となりました。
*手術は1週間の入院が必要→これは違います。日帰り手術で行えます。
*痔の手術はすごく痛いもの→これも違います。手術翌日から「いつも通りの生活」ができます。
*脱肛は手術しなきゃ治らない→これも違います。初期のものは注射で治ります。
医療の進歩は「過去の常識」を変えていきます。
このコラムでは痔とは何か、どのように痔と付き合えば良いのか、どのような治療をすればよいのか、体に優しい手術とは、まちがいやすい自己治療の危うさなどについて、なるべく専門用語を使用せず平易な言葉で解説していきたいと思います。
このコラムが痔に悩む方々の一助になれば幸いです。
第一回
痔核=いぼ痔ができるメカニズ🧑🎓
肛門は開く閉じる機能を持ったところです🙂。閉じている時には 臭いも漏らさないように隙間なく閉じなくてはなりません🤨。
肛門は直腸下部と肛門外縁を中心に閉まります。そこには隙間なく閉じるためのクッション💭の役割をする細い静脈の集まりがあります。 外痔静脈叢と内痔静脈叢🤩です。これらによって肛門は隙間なく閉じることができるのです🤗。
🧐ちなみに 叢(そう)という漢字は草むらとも読む漢字です。細い静脈が草むら🌿🌳のように集簇している様を表現したものと思います。
心臓🫀から出た血液は動脈となり、直腸肛門部で折り返し静脈となって心臓🫀に戻ります。その 折り返し地点になるのが内痔静脈叢と外痔静脈叢です。
ここが生活習慣🌶️⛳️や排便習慣💩などによってうっ血が繰り返され、 うっ血が常態化し腫瘤(しこり)となったものが痔核です。 組織学的には細静脈が 静脈瘤(静脈のこぶ)に変化しうっ血が起こり易い状態になっています。 そのためうっ血の状態(程度)によって 痔核の大きさが変化します。体調良い時🙂は小さく、体調悪いとき😨は大きくなります。
正に、痔核は健康のバロメータです🧐
肛門には3方向から動脈の血液がやってきます。その位置の内痔静脈叢と外痔静脈叢にうっ血が起こりやすく、 この3カ所(⏰3時、7時、11時方向)に痔核ができやすいのです。
直立二足歩行🚶♂️の人類は 心臓🫀と肛門が上下↕️の位置関係にあります。重力によって 内、外痔静脈叢にうっ血が起こりやすいのです😳。一方、四足歩行🐈🦓🦮の動物は 心臓と肛門が平行↔️の位置関係なので、人類のような頻度で痔核は発症しません。
故に、痔核は人類の宿命的な病気と言われます😫
うっ血は直腸肛門部への負荷によって助長されます。重力による負荷🥵、圧迫による負荷😨、いきみよる負荷😬、また体調不良😮💨なども原因となります。
❶重力による負荷
立ちっぱなし🧍♂️、山登り🏔️、マラソン🏃、
ウェイトトレーニング🏋️♂️
❷圧迫による負荷
座りっぱなし💻、長時間の運転🚗、妊娠🤰
❸いきみによる負荷
分娩🫄。ウェイトトレーニング🏋️♂️。便秘💩。ゴルフ🏌️♀️。咳️😷
❹体調の不良
疲労😮💨 風邪🤧
❺病気
肝硬変🤢慢性的に咳がでる病気😷
*肝臓が硬くなり静脈血が肝臓せき止められて肛門部にうっ血が起こる
*咳で腹圧がかかり肛門部に圧力が加わる
次回は痔核の分類と治療について説明したいと思います。