
「痔」とは、肛門周辺に起こる病気の総称です。日本人の約3人に1人が経験するとも言われており、決して特別な病気ではありません。しかし、「恥ずかしい」「怖い」という気持ちから受診をためらい、症状を悪化させてしまう方が多いのも事実です。
痔には大きく3つの種類があり、それぞれ原因・症状・治療法が異なります。このページでは、痔の種類と当院の治療方針についてわかりやすくご説明します。
八王子クリニックは、JR八王子駅から徒歩6分。東京だけでなく、神奈川・山梨・埼玉など近隣エリアからも多くの患者様がご来院いただいています。累計30,000例以上の手術実績を持つ肛門外科専門クリニックとして、日帰りで完結する治療を提供しています。
痔の3つの種類
痔は主に以下の3種類に分類されます。
- いぼ痔(痔核):肛門の内側や外側にしこりができたもの
- きれ痔(裂肛):肛門の粘膜に裂け目ができたもの
- 痔ろう(痔瘻)/肛門周囲膿瘍:肛門の内側と外側をつなぐトンネル(瘻管)ができたもの
いぼ痔(痔核)
いぼ痔とは
肛門周辺に腫れやしこりができる病気です。肛門には「痔静脈叢(じじょうみゃくそう)」という、肛門をしっかり閉じるためのクッションのような血管の集まりがあります。この部分に血液の流れが滞って(うっ血)腫れを繰り返すと、しこりのようになったものが「痔核」です。
できる場所によって、内痔核・外痔核・中間痔核の3種類に分かれます。
内痔核(ないじかく)
肛門の内側にしこりができるもの。痛みが少なく出血で気づくことが多いですが、進行すると脱肛(しこりが外に飛び出す)を起こします。1度から4度まで進行度で分類されます。
内痔核1度
痔核は脱出しない。痛みは無〜軽度。出血の程度はさまざま。
▶ 治療:薬による治療

内痔核2度
排便時に脱出するが、自然に戻る。痛みは軽〜中度。
▶ 治療:薬が有効でなければジオン注射

内痔核3度(早期)
排便時に脱出するが、指で戻せる。痛みは軽〜中度。
▶ 治療:ジオン注射

内痔核3度(後期)
脱出したしこりを戻すのに苦労する。
▶ 治療:手術+ジオン注射併用療法

内痔核4度
脱出したまま戻らない。粘液が滲み出て下着が汚れることがある。
▶ 治療:手術+ジオン注射併用療法

嵌頓痔核
進行したいぼ痔が脱出し、肛門括約筋に締め付けられて戻らなくなり、急激に腫れ上がった状態。耐えられないほどの強い痛みを伴います。
▶ 治療:速やかに手術+ジオン注射併用療法

外痔核(がいじかく)
肛門の外側にしこりができるもの。「血栓性外痔核」と「肛門皮垂(スキンタグ)」に分かれます。
血栓性外痔核
肛門外側の皮下血管が破れ、血栓(血豆)による腫瘤ができたもの。硬い便をきっかけに突然発症することがあります。
▶ 治療:薬による治療。痛みが強い場合は手術

肛門皮垂(スキンタグ)
痔を繰り返すことで、肛門外側の皮膚が「たるみ」として残ったもの。病的な意味は少ないですが、見た目が気になる・便の拭き取りがしにくいなど、生活の質に影響することがあります。他院では対応を断られることも多いですが、当院では患者様のご希望に応じて切除に対応しています。
▶ 治療:無治療、または希望がある場合は手術

中間痔核
内痔核と外痔核の間に位置し、「肛門管内外痔核」とも呼ばれます。内痔核と外痔核の2つの性質を持ちます。
中間痔核1度
痔核は脱出しない。痛みや出血の程度はさまざま。
▶ 治療:薬による治療

中間痔核2度
痔核が脱出する。痛みや出血の程度はさまざま。
▶ 治療:手術

きれ痔(裂肛)
硬い便や太い便をきっかけに、肛門の粘膜に傷がつき、それが繰り返されることで治りにくくなった状態です。女性や冷え性の方、便秘がちな方に多い傾向があります。
初期は薬で改善できますが、放置して慢性化すると、肛門が狭くなる「肛門狭窄」が進行し、排便のたびに強い痛みが続くようになります。さらに悪化すると、痛みが怖くて食事を避けるようになるケースもあります。
裂肛の進行度と治療
裂肛早期
紙につく程度の出血と、排便時の痛み。
▶ 治療:薬による治療

裂肛中期
肛門が狭くなり始め、排便後も痛みが続く。
▶ 治療:薬が有効でなければ手術

裂肛後期
肛門狭窄により排便が困難になり、排便中・排便後に持続した痛みが出る。
▶ 治療:手術

裂肛晩期
肛門狭窄がさらに進み、痛みが耐え難くなり食事も避けるようになる。
▶ 治療:速やかに手術

当院の裂肛治療(LV&SOS法)
当院では、CO₂レーザーメスを用いた「LV&SOS法」で裂肛の根治手術を行っています。傷の周囲にできた瘢痕組織(周堤)をレーザーで正確に除去し、括約筋を傷つけないよう丁寧に拡張します。手術時間は10分前後で、翌日から仕事復帰が可能です。当院の裂肛手術後の再発率は0%に近い水準です(一般的な統計では3%前後)。
痔ろう(痔瘻)/肛門周囲膿瘍
痔ろうとはどんな病気か
直腸と肛門のつなぎ目にある小さなくぼみから、下痢などをきっかけに細菌が入り込むと、肛門周囲が化膿して「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」を起こします。その後、膿が肛門の外側へ出る過程で、肛門の内側と外側をつなぐトンネル状の管が残ります。この状態を「痔ろう」と呼びます。
痔ろうは薬では治らず、手術が唯一の治療法です。また、長期間放置すると、瘻管ががん化するリスクもあるため、早めの受診が重要です。
肛門周囲膿瘍の段階
初期感染
直腸肛門接合部(肛門陰窩)から細菌が侵入した段階。
▶ 治療:薬による治療

膿瘍形成
細菌感染が広がり、肛門周囲に膿がたまった状態。
▶ 治療:薬で効果がなければ手術

痔ろうの種類
皮下粘膜下痔ろう
括約筋と関係しないタイプ。比較的治療が容易。
▶ 治療:開放手術

筋間痔ろう
痔ろうが括約筋の間を通るタイプ。
▶ 治療:括約筋温存手術

高位(深部)痔ろう
痔ろうが直腸下部にまで達するタイプ。
▶ 治療:括約筋温存手術

当院の痔ろう治療(ダブルドレナージ法)
当院では、「ダブルドレナージ法」という独自の術式で痔ろう手術を行っています。括約筋を温存しながら、瘻管の表と裏の両側に排出路を形成することで、複雑痔ろうや深部痔ろうなど、通常は入院が必要とされる難症例も日帰りで対応しています。再発率は5%以下です。
八王子クリニックの痔治療の特徴
独自術式「クランプトレーザー法(スリーパーツ法)」による日帰り手術
当院で行ういぼ痔の手術は、約30年をかけて開発した独自術式「クランプトレーザー法(スリーパーツ法)」です。CO₂レーザーメスを使い、皮膚や粘膜をできる限り温存しながら、皮膚の下にある痔核病変だけを丁寧に取り除く低侵襲手術です。
従来の手術では、痔核を皮膚ごと大きく切除するため、傷が大きくなり痛みも強くなりがちでした。クランプトレーザー法(スリーパーツ法)では小さな切開から病変のみをくり抜くため、術後の痛みや出血が大幅に抑えられています。2023年の日本大腸肛門病学会で発表されたデータでは、術後に強い痛みがなかった方が92.2%、翌日の仕事復帰率は99.7%という結果が示されています。
全例日帰り手術・翌日から仕事復帰
当院では、いぼ痔・きれ痔・痔ろうのいずれも、全例日帰り手術で対応しています。手術後はご自身の足で歩いてお帰りいただけます。術後の生活制限もなく、体力仕事・ダンサー・タクシー運転手の方を含め、翌日から通常の仕事に戻ることが可能です。手術当日の付き添いも不要です。
年間手術件数は930件(2024年・本院)、本院・新宿院合計では年間約1,750件。開院以来の累計手術実績は30,000例以上にのぼります。
難症例・重症例にも対応
「他院で入院が必要と言われた」「重症だから手術できないと断られた」という方も、多く当院にお越しになっています。4度痔核・嵌頓痔核・複雑痔ろうなど、一般的には入院手術とされる難症例にも日帰りで対応しています。
プライバシーへの配慮
肛門疾患は、受診をためらう方が多い分野です。当院では、完全個室での問診・診察・手術前後のケアを実施し、患者様同士が顔を合わせない待合室の動線設計を採用しています。また、受付スタッフはすべて女性で、診察時には女性看護師が必ず同席します。
「痔かもしれない」と思ったら、まず受診を
痔は放置するほど症状が進行し、治療の負担も大きくなります。出血・痛み・脱出・違和感など、気になる症状があれば、早めにご相談ください。
当院ではWEB予約が24時間対応しており、初診の方もスムーズに受診していただけます。手術が必要かどうかを含め、現在の状態をわかりやすくご説明します。「相談だけでも」という方も、どうぞお気軽にお越しください。
JR八王子駅から徒歩6分。中央線・横浜線・八高線をご利用の方、また神奈川・山梨方面からもアクセスしやすい立地です。