クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)|理論と臨床的有用性|八王子クリニック本院・新宿院

Clamp-tracer method

クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)

理論と臨床的有用性

A Word from the Creator

考案者の言葉
「一塊を切る手術」から
「病変を分析して治療する手術」へ

術式考案者である井藤尚文理事長による、
クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)の考え方です。

これまでの痔核(いぼ痔)の手術では、内痔核・外痔核・その周囲の皮膚や粘膜を一つの病変として考え、まとめて切除する「結紮(けっさつ)切除術」が標準的な治療でした。この方法は根治性に優れた手術ですが、正常な皮膚や粘膜も一緒に切除するため、傷が大きくなり、術後の痛みや出血が起こりやすいという課題がありました。
クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)は、この考え方を大きく変えた新しい手術です。

痔核を一つの塊として切除するのではなく、「どの部分を切除するべきか」「どの部分は残した方がよいか」「どの部分は注射で治療できるか」を一つひとつ分析し、それぞれに最も適した治療を行います。
つまり、「一塊を切る手術」から、「病変を分析して治療する手術」へと発想そのものを変えたのです。

病変を3つに分け、それぞれに最適な治療を行います

① 痔核切除:切除が必要な部分だけを、専用の器具で血流を止めてからCO₂レーザーで切除します。

② 痔核郭清:切除した傷口から皮膚・粘膜の下にある痔核病変だけを丁寧に取り除きます。正常な皮膚や粘膜はできるだけ温存するため、肛門本来の形や働きを守ることができます。

③ ジオン注射(ALTA療法):下部直腸の内痔核は手術で切り取るのではなく、ジオン注射によって硬化・縮小させます。術後出血のリスクを抑えられることも大きな利点です。

01.痔核切除(クランプトレーザー切除)

血流をクランプ(遮断)にて、CO₂レーザーで切除。切離は歯状線より約5mm口側までにとどめます。

痔核切除のイラスト

02.痔核郭清(アンダーマイニング手技)

皮膚粘膜下層をアンダーマイニング剥離切除し、痔核病変のみを除去、過剰な皮膚、粘膜の切除を行わない。

クランプ痔核切除創の両側から、皮膚・粘膜の下にある痔核を取り除く痔核郭清のイラスト

03.ジオン注射(痔核硬化療法)

出血のリスクとなる下部直腸の痔核を硬化縮小し、術後出血のリスクを大きく減らします。

ジオン注射で痔核を硬化・縮小させるイラスト

※上記の手技・数値は当院の術式に基づく記載です。適応・実施内容は診察により判断します。

この3つの治療を組み合わせることから、この術式は「スリーパーツ法」と呼ばれています。
また、「外科治療」と「注射治療」を組み合わせ、それぞれの長所を生かし短所を補い合うことから、ハイブリッド手術といえる新しい治療法です。

クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)の特徴

必要な部分だけを治療し、正常な皮膚や粘膜をできるだけ残すため、従来の手術より傷を小さく抑えることができます。その結果、術後の痛みが少ない・出血の危険性が少ない・傷の治りが早い・肛門本来の形や働きを保ちやすい・早い社会復帰が期待できる、といった多くのメリットがあります。
さらに、CO₂レーザーは周囲の正常組織への熱によるダメージが少ないため、傷の治りを助けることも期待できます。

日帰り手術に適した低侵襲手術

現在の外科医療では、病気はしっかり治しながら、体への負担をできるだけ少なくする「低侵襲手術」が重視されています。クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)は、この考え方に基づいて開発された痔核手術です。
病変だけを的確に治療し、正常な組織は守る。
その結果、根治性を保ちながら痛みや出血を抑え、早く日常生活へ戻ることを目指した、新しい時代の痔核治療です。
「分析して治療する手術」へ。それがクランプトレーザー法®(スリーパーツ法 ハイブリッド手術)の考え方です。

The minimally invasive nature aimed for
by this surgical technique

この術式が目指す低侵襲性
(6つの視点)

本術式は、従来の結紮切除術(ミリガン・モルガン法)が抱える術後の痛み・出血・入院管理といった課題に対し、
次の6つの視点から手術侵襲を抑えることを目指して設計されています。

  1. 手術時間の短縮
  2. 出血量の削減
  3. 切除範囲の縮小
  4. 麻酔侵襲の低減
  5. 術後の痛みの軽減
  6. 手術創を小さく保つ

これらを同時に満たすため、クランプトレーザー切除・痔核郭清・ジオン注射(ALTA療法)の3要素を病変部位ごとに使い分けます。
これらの条件を支える技術は、次の「低侵襲を実現する技術」でご紹介します。

Techniques Behind
Minimal Invasiveness

低侵襲を実現する技術

上の6つの条件は、以下の技術が複合的に支えています。
手術時間の短縮や出血量の削減といった効果は複数の技術の組み合わせで生まれるもので、
1つの技術が1つの条件に対応するものではありません。

パークス法の継承と進化

本術式は、痔核を「皮膚・粘膜そのもの」ではなく「皮膚粘膜下層に存在する静脈叢のうっ血病変」と捉えるパークス法の基本概念を継承しています。
皮膚・粘膜はできるだけ温存し、その下層にある病変本体を選択的に処理するという考え方です。
この発想は従来、確実な止血手段が乏しかったため広く普及しませんでしたが、当院ではクランプトレーザー切除・痔核郭清・ジオン注射(ALTA療法)の3要素を統合することで、日帰り手術として実用化しました。

低侵襲手術の技術と効果

下記の技術を行い低侵襲手術を実現しています。

CO₂レーザーメス組織損傷が少なく、出血量少なく複雑な病変に対し容易に対応ができるため手術時間が短くできる。
痔核郭清とアンダーマイニング手技手術創を小さくでき、術後の腫れも少なく痛みも少なく、根治性も高まる。
仙骨硬膜外麻酔ボーラス注入法麻酔薬の量を少なくでき、また麻酔の立ち上がり早く、麻酔侵襲が少なくて済む。
括約筋オーバーストレッチ肛門括約筋の緊張を緩和し、術後の痛みが少なくスムーズな排便ができる。
ドレナージ創は最後に形成ドレナージ創の形成は、主病変を切除した後に行う。肛門の自然な皺に沿って創を形成できるため、良好な創傷治癒が得られ、術後の痛みも少なくなる。
展開テープ、ストレッチ&リリース法肛門の閉じている状態と開いている状態を確認しながら手術を行えるため創傷治癒の良好な手術創を形成でき術後の痛みが少なくなる。
手術とジオン注射の併用手術範囲を少なくすることができ手術侵襲が軽減され、術後出血のリスクが大幅に軽減しまた根治性も上がる。

Surgery Videos

手術動画(いぼ痔)

※ 以下の動画は実際の手術映像を含みます。

Clinical results

臨床成績
(当院統計・第78回日本大腸肛門病学会学術集会発表)

当院における治療データ(自院統計)

・ 対象術式:クランプトレーザー法®(スリーパーツ法)/対象症例数:約1,500例/集計方法:術後アンケート・カルテ集計

・ 日帰り手術率:100%(重症の痔核でも入院は不要です)

・ 翌日の仕事への影響なし:99.7%

・ 術後アンケートで「強い痛みはなかった」と回答された方:92.2%

・ 重大な出血合併症:0%

※上記は当院の自院統計であり、治療効果を保証するものではありません。効果・経過には個人差があります。第78回日本大腸肛門病学会学術集会(2023年)で当院が発表(学会が承認した数値ではありません)。

Comparison with Conventional Surgery and Other Techniques

従来手術・他術式との比較

他術式(LE・PPH・ACL)との比較

術式 クランプトレーザー法®
(スリーパーツ法)
LE法(結紮切除) PPH法 ACL法
内容痔核の病変を皮膚・粘膜下と捉え、痔核の病変を3つの特徴に分け、それぞれ処理をする。CO2レーザーメスを用いる。痔核を切除して根治する標準的術式。切除後、創部の一部を縫合し治癒と合併症のバランスをとる。痔核自体を切るのではなく、直腸粘膜を環状に切除・吻合して、脱出を吊り上げ、血流も相対的に減らす。痔核を切除ではなく、痔核の位置を戻す治療。痔核の切除ではなく、痔核の血流(動脈流入)を減らし、肛門クッションを引き上げて脱出を戻す治療。
手術デバイスCO2レーザーメス電気メスステープラ(専用機器)電気メス
手術適応内痔核2度〜4度(幅広い)
嵌頓痔核(痔核急性期)
内痔核2度〜4度内痔核2度〜3度
(脱出が主体)
内痔核2度〜3度前半の
粘膜脱が主体
傷の縫合なしありなしあり
痛みほぼなし(当院統計)中〜強軽軽
肛門機能への影響狭窄:なし狭窄:切除範囲により発現狭窄:LE法よりは低いがある狭窄:少ない
引きつり感:なし引きつり感:切除範囲により発現引きつり感:発現することあり引きつり感:発現することあり
排便障害:なし排便障害:一時的に発現する場合あり排便障害:ほぼない排便障害:ほぼない
出血リスク(術中・術後)少ない注意が必要切除による出血とは異なるが、発生すると管理が難しい少ない
日帰り・入院日帰り入院日帰り〜入院日帰り〜入院
治癒までの期間3週間1~2ヶ月1~2ヶ月1~2ヶ月

Points to consider regarding the surgery

手術における留意点
(医療従事者向け)

本術式を安全・確実に行うために、当院では次の点を重視しています。

CO₂レーザーメスで手術を行う執刀医
  1. CO₂レーザーメスのフォーカスビーム/デフォーカスビームの使い分けの知識と手技
  2. 痔核の過剰切除を避ける(ヘモロール・ヘモスカートの確認、結紮後の口側粘膜に裂創がないことの確認)
  3. ジオン注射(ALTA療法)の適切な注入部位・量と、念入りなマッサージ
  4. 痔核結紮部は歯状線を大きく越えない(約5mm)
  5. 創傷治癒を意識した手術創の形成
  6. 展開テープ解除時に、ほぼ創が閉じる状態とする
  7. 手術創からのアンダーマイニングによる痔核郭清・静脈叢郭清の手技
  8. 下部直腸から肛門外縁まで各肛門括約筋を過伸展する手技(括約筋オーバーストレッチ法)

手術指標

ヘモロール
皮膚・粘膜の過剰な切除を避けるための確認指標
ヘモスカート
結紮部の周囲に余裕のある粘膜を確保できているかの評価
ホワイトウォール
真皮層への剥離が適切に到達していることを示す所見
オラール(口側)粘膜の緊張・損傷がないこと
痔核根部を結紮する際、下部直腸側(口側)の粘膜に過度な緊張や裂創が生じていないかの確認
残存痔核の評価(ガーゼ引き出し法)
手術直後にガーゼ引き出し法で残存病変の有無を確認し、根治性を担保

For Physicians Wishing to Observe Surgery

手術見学をご希望の医師へ

手術室で手術を行う医師たち

当院のレーザーを用いた痔の手術にご興味をお持ちの医師の方へ、見学を受け付けています(対象・条件は「手術見学をご希望の医師へ」ページを参照)。

本術式は、CO₂レーザーのフォーカス/デフォーカスビームの使い分けや、アンダーマイニング手技の習得が要点となります。

当院ではおおむね6か月程度のトレーニングで習得可能と考えており、手術動画・写真を用いた教育コンテンツの発信や、ワークショップによる標準化・普及にも取り組んでいます。

FAQ

よくあるご質問
(術式・創傷治癒
について)

医師・同業の方や、術式を詳しく知りたい方からのご質問にお答えします。個別の適応・経過は診察でご説明します。

開放創なのに、なぜ創傷治癒が早いのですか?
本術式の創は、安静時には創縁が軽く接する「準閉鎖状態」になり、排便時には肛門の生理的な開大で自然に開きます。安静時は治癒に、排便時は排出(ドレナージ)に働くため、両立が図れると考えています(動的な創構造)。
ドレナージが不足するリスクはありませんか?
肛門は開閉運動を繰り返す器官で、排便時や腹圧がかかる際には必ず創が開きます。そのため排出路が完全に塞がることは生理的に起こりにくいと考えています。常に開いた創に比べ、不要な乾燥による炎症も抑えられます。
なぜ半閉鎖法や全閉鎖法(縫合)ではないのですか?
縫合による閉鎖は、排液不良による感染・血腫や、縫合部の虚血・破綻のリスクがあります。本術式は縫合に頼らず、肛門の機能を利用して準閉鎖状態を作るため、これらを避けやすいと考えています。
創縁が接することで、癒着や肛門狭窄は起きませんか?
皮膚・粘膜を温存し、排便のたびに創が開くため、癒着や狭窄は起こりにくいと考えています。当院ではこれまでのところ、臨床的に問題となる癒着・狭窄は経験していません(経過には個人差があります)。
これは肛門という特殊な臓器だから成立する方法ですか?
はい。閉鎖時の緊張と排便時の間欠的な開放という肛門特有の生理を利用しています。この考え方は、裂肛や肛門周囲膿瘍・痔ろうなど他の肛門外科領域にも応用の余地があると考えています。
「開放創は治りが遅い」という従来の考え方を否定するのですか?
否定するものではありません。「常に離開している開放創」と「機能的に制御された開放創」は区別すべきで、後者は適切な条件下で早期治癒と低侵襲性の両立が期待できる、という位置づけです。

痛み・費用・日帰り・手術後の生活など、患者様向けのよくある質問は
「いぼ痔(痔核)の治療」ページおよびFAQページをご覧ください。

Supervising Physician
and Treatment Results

監修医師・治療実績

この記事の監修者

井藤 尚文

医療法人社団斗南堂理事長
八王子クリニック本院院長
株式会社斗南堂代表取締役社長
クランプトレーザー法®(スリーパーツ法) 考案者

痔・肛門科の日帰り手術を専門とし、累計32,131件の治療に携わる。

最終確認日:2026年6月25日

監修者プロフィールを見る

肛門科は本院(八王子)と
新宿院で受診可能です。
痔でお悩みの方は、
まずは診察にお越しください

肛門科受診の約8割は薬で治ります。
手術が必要な方は約1割です。

八王子クリニック本院
診療予約

JR八王子駅6分 京王八王子駅7分

診療時間

午前10:00〜12:30

午後16:00〜17:30

※受付は診療開始の30分前から(午前は9:30〜)

休診日

火・祝(日曜は第2・第4・第5のみ休診/日曜午後は形成外科のみ診療)

※日帰り手術のご予約はお電話のみで承ります

※手術のご予約は、事前に診察・検査を受けた方のみ承ります

※緊急の場合は予約なしで診療いたします(本院)

ご予約方法は
医院によって異なります

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本院
(初診・再診)
○ ○ ○ ○
痔の日帰り
手術 ※
ー 電話
のみ
ー 手術枠は電話のみ。
診察は肛門科枠で
web可

GREETING

八王子クリニック本院 院長ご挨拶

八王子クリニック本院院長 井藤尚文

八王子クリニック本院院長ご挨拶

井藤 尚文

八王子クリニックグループは、
「医をもって社会に貢献する」という理念のもと、
地域の皆さまの健康と安心を支える医療を提供しています。

当院では、痔をはじめとする肛門疾患の日帰り手術に力を入れており、
独自のレーザーメスを用いた治療により、
身体への負担を抑えながら早期の社会復帰を目指しています。

また、形成外科では、粉瘤・脂肪腫・ほくろ・巻き爪など、
身近なお悩みに幅広く対応。
機能面だけでなく、傷あとや見た目にも配慮した治療を心がけています。

患者様一人ひとりに寄り添い、診察から治療、術後フォローまで
責任を持って対応いたします。安心してご相談ください。

Physicians

本院担当医表

月 火 水 木 金 土 日
午前
10:00〜12:30
肛門科
消化器内科
井藤尚武
小泉明博
ー 井藤尚文理事長
小泉明博
井藤尚文理事長
井藤尚武
井藤尚武
小泉明博
井藤尚文理事長
小泉明博
井藤尚文理事長
※肛門科amのみ
形成外科 担当医 ー 松田由佳利 担当医 担当医 長崎敬仁奇数週
備前篤偶数週
長崎敬仁
第1・3週
※第5日曜休診
午後
16:00〜17:30
肛門科
消化器内科
井藤尚武
小泉明博
ー 井藤尚文理事長
小泉明博
井藤尚武 井藤尚武
小泉明博
井藤尚文理事長
小泉明博
ー
形成外科 担当医 ー 松田由佳利 担当医 担当医 長崎敬仁奇数週
備前篤偶数週
長崎敬仁
第1・3週
※第5日曜休診

午前
10:00〜12:30

肛門科
消化器内科
形成外科
月 井藤尚武
小泉明博
担当医
火 ー ー
水 井藤尚文理事長
小泉明博
松田由佳利
木 井藤尚文理事長
井藤尚武
担当医
金 井藤尚武
小泉明博
担当医
土 井藤尚文理事長
小泉明博
長崎敬仁奇数週
備前篤偶数週
日 井藤尚文理事長
※肛門科amのみ
長崎敬仁
第1・3週
※第5日曜休診

午後
16:00〜17:30

肛門科
消化器内科
形成外科
月 井藤尚武
小泉明博
担当医
火 ー ー
水 井藤尚文理事長
小泉明博
松田由佳利
木 井藤尚武 担当医
金 井藤尚武
小泉明博
担当医
土 井藤尚文理事長
小泉明博
長崎敬仁奇数週
備前篤偶数週
日 ー 長崎敬仁
第1・3週
※第5日曜休診

Directions/Office Hours

アクセス/診療時間

所在地
〒192-0081
東京都八王子市横山町11−5 斗南堂ビル
電話番号
042-643-3717
診療時間
午前10:00〜12:30
午後16:00〜17:30 ※休診日:火曜日 / 祝日
※日曜日は第1・3のみ診察 / 午後は形成外科のみ
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