院長コラム

院長コラム第11回

レーザー手術用語録

八王子クリニックCO2レーザーメス手術用語

下記の用語は、CO2レーザー手術(クランプトレーザー法・LV & SOS・ダブルドレナージ法・レーザートレース法)において用いられるものである。
これらの言葉は、CO2レーザー手術を正確に遂行するための重要な手術指標となる。

ヘモロール

弱弯ケリー鉗子にて、余剰皮膚粘膜とともに痔核を把持・切除する際、過度な皮膚粘膜切除が行われていないかを確認するための指標。

ヘモスカート

痔核結紮部周囲の粘膜に、過度な緊張が生じていないことを確認するための指標。
過度な緊張が存在すると、排便時に同部が裂ける術後出血を起こすリスクがある。

オラール粘膜裂創なし

痔核を根部で結紮切除した後、口側粘膜(下部直腸)に裂創が生じていないかを確認すること。

鑷子確認法

余剰皮膚粘膜の確認法。
28mm肛門鏡挿入後に鑷子にて軽く把持し、切除ラインをイメージする。
*28mmは肛門径の標準

ガーゼ引き出し法

肛門内にガーゼを挿入し、これを引き出すことで、痔核の位置や脱出の程度を確認する方法。
肛門手術直前に行い、排便時における肛門の動きを再現することができる。

アンダーマイニングテクニック(手技)

痔核郭清の際に用いる手技。
皮膚・粘膜下層に存在する痔核本体のみを除去するため、皮膚粘膜を剥離する技術である。
痔核郭清の要となる重要な手術手技。

痔核切除

余剰な皮膚粘膜とともに、その下層に存在する痔核本体を一体として切除すること。
切除に際しては、弱弯ケリー鉗子にて血流を遮断(クランプ)し、CO2レーザーによる蒸散切除を行う。

痔核郭清

皮膚粘膜を温存し、その下層に存在する痔核本体のみを、アンダーマイニング手技により除去すること。
「郭清」とは、“掃除し清める”という意味を持ち、病変をきれいに取り除くことを意味する。
クランプトレーザー法における要となる手技であり、これにより肛門手術創の理想形である「マリリンの唇」を実現することができる。
*「マリリンの唇」の項目参照

ホワイトウォール

痔核郭清が正確かつ適切な層で行われ、皮膚粘膜の白く見える真皮層が均一に露出した状態を指す。これは正確な痔核郭清が達成された指標となる。

括約筋オーバーストレッチ

手術中(麻酔下)に、肛門括約筋を適度に過伸展させる手技。
術後の括約筋緊張による疼痛を軽減し、排便(肛門リハビリ)を円滑に行うことを目的とする。
過伸展の程度としては、術後1〜2日程度、一時的に肛門機能が軽度低下するレベルが有効と考えている。

マリリンの唇

創縁が軽く接する程度にわずかに開いた開放創であり、クランプトレーザー法における理想的な肛門手術創を指す。
肛門は排便時に開閉を行う動的臓器であり、従来のように大きな開放創を形成しなくても、十分なドレナージが得られるという考えに基づいている。
この概念は従来の肛門手術創の考え方を刷新するものであり、術後疼痛の軽減と創傷治癒期間の短縮をもたらす。
*マリリン・モンローのセクシーな唇のイメージから名付けられた

ブリッジ形成

近接する手術創の間の皮膚を、橋(ブリッジ)のように剥離して浮かせる手技です。
中央の皮膚を自由に動ける状態にすることで、創傷治癒の過程で皮膚が自然に引き寄せられ、両側の創がバランスよく閉鎖しやすい環境を作ります。
その結果、創部の緊張が分散され、2つの手術創が早期に安定して治癒しやすくなるため、創傷治癒の促進や術後疼痛の軽減につながります。

フォーカスビーム

CO2レーザーメスの焦点を合わせた高密度のレーザー光線。
組織への熱ダメージを最小限に抑えながら、鋭利で精密な切開・切除が可能となる。
一方で、止血能力はエネルギーを拡散させたデフォーカスビームに比べると劣る。

デフォーカスビーム

CO2レーザーメスの焦点をあえて外したレーザー光線。
レーザーエネルギーが広く分散するため、フォーカスビームに比べると組織への熱影響はやや大きくなるが、高い止血能力を発揮する。

ストレッチ&リリース法(肛門展開テープ)

手術時に使用する肛門展開テープを、術野の状況に応じて伸展・解除しながら操作する手技。
これにより、肛門が閉じた状態のイメージを把握することができ、手術創の位置や創の形状の決定に有効である。
*術中に展開テープを動的に操作する手法は、当院独自の考え方である。

文章責任 八王子クリニック 井藤尚文

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